チャドクガ(茶毒蛾、学名 Arna pseudoconspersa)は、毒を持つ毛(毒毛)を体に持つ蛾の幼虫です。幼虫、成虫、卵、抜け殻、繭のいずれの段階でも毒毛が残っており、直接触れなくても風で毛が飛散することがあります。接触すると数時間から数日後に強いかゆみと赤みを伴う皮膚炎が起こります。
発生しやすい樹種
チャドクガはツバキ科の植物に特に多く発生します。庭木・街路樹として多いツバキ(椿)、サザンカ(山茶花)、チャノキ(茶の木)が主な宿主です。これらの樹種がある庭では、春(4〜6月)と秋(8〜10月)に卵から幼虫が発生することが多いため、この時期は注意して観察します。
発見時の確認ポイント
チャドクガの幼虫は若齢のうちは集団で葉の裏に並ぶ習性があります。葉の裏面に黄白色の毛虫が密集している場合は、チャドクガの可能性があります。
確認する際は以下の点に注意してください:
- 風向きに注意する(上風から近づかない)
- 肌を露出しない(長袖・手袋・マスク着用)
- 触れない、払い落とさない(毒毛が飛散する)
- 目に入る可能性を考えてゴーグルの使用も検討する
初期対応の基本
幼虫を発見した場合、個人で対処するかどうかは発生量や樹木の位置によって判断します。
枝ごと切り取る場合は、ビニール袋を被せてから切断し、そのまま袋に密封して処分します。この際も肌の露出を避け、作業後は衣類を脱いでから洗濯し、シャワーで全身を洗い流します。
公道沿いや公共施設の樹木で発生が多い場合は、自治体や管理者へ連絡して専門業者による対応を依頼することが安全です。
皮膚炎が出た場合
毒毛に触れた後に皮膚炎が起きた場合は、かいたり擦ったりすると毛が皮膚にさらに刺さります。流水でやさしく洗い流し、粘着テープ等で毛を除去してから、かゆみ・炎症に対応した薬剤を使用します。症状が強い場合や広範囲になる場合は皮膚科を受診してください。
樹木の状態確認
チャドクガの食害が進むと葉が大量に失われ、樹勢が落ちることがあります。病害虫リスク診断では、ツバキ科の樹木に発生しやすい病害虫の候補を確認できます。
発生後の樹木の回復状況や、他の症状(枯れ枝の増加、根元の変化など)を記録したい場合は樹木健全度チェックリストをご活用ください。